1966年にイヴ・サンローランが発表した、スモーキング。
当時ファッション界に大きな衝撃を与え
サンローランの歴史を語る上では欠かせない重要なルックとなっています。
そのセットアップをフランスで買い付けることに成功いたしました。
現行のコレクションでも、よく目にすることが多く
今でも語り継がれているのがうかがえますね。
もちろん当時では男性ものの服を女性が身に纏うということに
否定的な意見も多かったそうですが、
サンローランはその固定概念を見事に覆し
女性にマスキュリンという新たなスタイルを誕生させてました。
映画"モロッコ"より、初の男装をしたしたことでも知られる
マレーネ・ディートリッヒ。
これは当時本人のアイディアだったということも驚きます。
なぜか不思議とコスプレ感を感じさせず、
むしろ気品溢れるお顔立ちが、更に際立っているようにも見えます。
肌を見せずとも、女性の強さ、美しさがしっかりと演出されています。
この映画は1930年公開ということもあり
当時でも非常に強いインパクトだったに違いありませんね。
煙草を吸う様がなんとも粋です。
パンツスタイルという実用的な面でももちろんですが、
男性の衣装を女性が身に纏うことによって
新たな美しさが生まれるということをサンローランはわかっていたのでしょう。
天才というよりも、奇才という言葉の方がしっくりくるような気もします。
当時アイコン的な存在だったカトリーヌ・ドヌーブをはじめ、
多くの著名人達はいち早くこのルックを取り入れ
今となっては象徴的なデザインになっています。
~1975's Le Smoking/photo by Helmut Newton~
~1980's Catherine Deneuve, Yves Saint Laurent~
イヴ・サンローランが過去のインタビューで、
自分がこれまでに発表したデザインの中からどれかを選べと言われたら、
迷わずスモーキングを選ぶ。
と言っていたほど思い入れの強いルック。
是非その思いを感じながら、間近でご覧頂けたらと思います。
The Vintage Dress.
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