1970年にシャネルでオーダーされた非常に珍しいベルベットドレス。
カールラガーフェルドがシャネルを立て直すまでの間
ココ・シャネルのアシスタント達がブランドを守り続けていました。
その期間に作られたこちらの逸品。
熟練された職人さんが一針、一針、丁寧に手作業で仕立て
見事なベルベットの素材を使用。
触れた人にしかわからない、この上質な柔らかさ。
フロント、アーム、スリットと
見たこともない重厚感のあるブレードが最大のポイントでもあります。
たまにブレードをあしらったシャネルのジャケットを見かけますよね。
この時代にフロントジッパーというのも珍しいですよね。
ブレードを一番のポイントに置きたいというオーダーされた方の気持ちが伝わってきます。
それでいてジッパーは華奢なので着用時には目立たないよう計算されています。
裾部分にシャネルの特徴でもある隠しチェーン。
きちんとシルエットが崩れないよう、重みをもたせています。
わざわざチェーンを使うというところが流石ですよね。
シャネルジャケットにもよく使われてる手法です。
ここ数か月、シャネルのオートクチュールの買い付けに成功していますが
本当に運が良かったとしか言いようがありません。
そもそもオートクチュールを見れるだけでもすごいことで
ましてや70年代にオーダーされたものです。
先日の阪急うめだ本店ポップアップでも展示していましたが
ご来店頂いたお客様には、佇まいだけでも大きな感動を与えていました。
たった一着でここまでのオーラを放つことができるのは
時代を超えても不変的なこのデザイン性に
クチュリエの思いと、オーダーされた方の洋服に対しての愛情が大きくあるからなのではと思います。
また次はどのようなオートクチュールに出会えるのか楽しみでなりません。
数年後になるのか、はたまた運の巡り合わせで近々お目にかかることができるのか…
一点物はそれが分からないからこそ、出会った時の喜びが大きなものになるのかもしれません。
The Vintage Dress.
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